シフト作成にAIは使える?社長が先に知るべき答え

シフト作成にAIは使えます。ただしAIの案は下書きで、決めるのは人です。今のExcelで生成AIに案を作らせる4ステップ、確認のチェックリスト、専用システムを選ぶ観点、補助金の考え方を解説します。

この記事でわかること

  1. まずは今のExcelのシフトに、文章で頼むと答えを作るAI(生成AI)を試します。
  2. 最初の壁は、必要人数やルールを書き出す作業です。
  3. 専用システムや補助金は、書き出せた後に、費用と条件を確認してから考えます。

シフト作成にAIは使える?社長が先に知っておきたい答え

シフト作成にAIは使えます。ただしAIが出すのは下書きです。最後に決めるのは人です。

AIがやること3段階

AIの役割は、大きく3つに分かれます。

  1. 希望の収集:スタッフの希望休や出られる日を集めます。専用システムなら自動で集められる製品もあります。生成AI方式では店長が集めます。
  2. 配置案づくり:必要人数や、必要な資格・得意分野、決まりごとをもとに、配置案を作ります。
  3. 人が微調整:店長(工場なら班長や現場の責任者)が案を見ます。人数・資格・休憩・休日などの条件を満たすか確かめて、直します。

たとえば「火曜の昼は3人必要。Aさんは火曜が休み」と伝えると、AIが案を出します。工場なら「夜勤は各班に2人。B班は火曜が休み」と伝えます。

シフト作成の流れ ① 希望の収集 店長が集める ② AIが案づくり 下書きを作る ③ 人が微調整 条件を確かめて直す ④ 確定・共有 全員に知らせる
AIが作るのは下書きで、最後に確定するのは人です。

介護の現場で、どこまで任せてどこから人が決めるかは、介護のシフト自動作成|任せる所と人が決める所で説明しています。

社長が押さえるべき点

ポイント

押さえるべき点は2つです。AIの案は下書きとして使います。最初に、必要人数とルールを書き出します。

ここで使う公的な数字は、AI活用全般の調査です。シフト作成だけの数字ではありません。

省力化のためにAIを活用する目的として、「業務時間の節減」を挙げた事業者は84.5%です。100事業者のうち約85事業者です。対象は、AI活用に取り組んだ1,685事業者です。いくつでも選べる質問で、2025年11〜12月の調査です。[出典:中小企業庁(2026)]

現場の悩みを聞いた調査もあります。シフト管理サービスを提供するパーソルイノベーション社のブログに載っています。飲食・サービス業の正社員への調査で、課題の1位は「シフト作成の手間が大きい」で22%です。100人のうち約22人にあたります。対象は20〜50代の正社員で、2022年7月に始まったネット調査です。[出典:パーソルイノベーション「シフト希望を集めてから作成までに気をつけること」(2023)]

作る時間のほかに変わること

AIを使うと、作る手間のほかにも変わることがあります。専用システムの機能は、シフト管理サービスを提供する会社の記事が挙げているものです。

  • 偏りに気づける:人ごとの土日や夜の回数を、AIに数えさせることもできます。AIは数え間違えることがあるので、数は人も確かめます。
  • 急な欠勤に動きやすい:休んだ人の代わりに入れる人の候補を、条件から挙げさせることもできます。合っているかは人が確かめます。代わりを頼む連絡を、まとめて送れる専用システムもあります。
  • 希望を出しやすい:スマホから希望休を出せる専用システムがあります。紙やメッセージで集めるより、置き場が1つにまとまります。

必要人数の決め方も見直せます。HataLuck社の記事では、過去の売上をもとに混む時間を予想する仕組みを説明しています。[出典:株式会社HataLuck and Person「シフト作成をAIで自動化|基礎知識からツール選びまで徹底解説」(2026)]

ChatGPTなどの生成AIと専用システムは何が違うのか

AIでシフトを作るやり方は2つあります。どちらが上ということはなく、特徴が違います。

メモ

1つ目は、ChatGPTのように、文章で頼むとシフト案を作ってもらう「生成AI方式」です。2つ目は、シフト作り向けのソフトに、条件に合う組み合わせを計算で探してもらう「専用システム方式」です。

比べる点生成AI方式(文章で頼む)専用システム方式(専用ソフト)
始めやすさ今のExcelのまま試せる製品を選び、設定してから使う
向いている人数少人数で、ルールが少ない現場人数が多く、毎月の作業をまとめたい現場
ルールの伝え方文章で伝える画面で条件を登録する
休憩・休日の決まりの確認頼んだ範囲のみ。人が確認する確認機能を持つ製品がある
費用の考え方使うサービスの料金による製品の料金プランによる

生成AI方式(Excelのまま試せる)

ChatGPTなどに、シフト表と条件を文章で渡します。「昼は3人、夜は2人。Aさんは火曜休み」のように頼みます。ファイルを読み込める機能があれば、今のExcelの表を渡せます。

専用システム方式(希望集めから表の配布まで1つにまとめられる)

希望集めから、できた表をスタッフに送るところまでを、1つにまとめられる製品があります。

条件に合う組み合わせを、コンピューターが計算で探す製品もあります。法令チェックの機能を持つ製品もあります。

専用システムを選ぶ観点

製品を比べるときは、名前より先に、次の5つを確かめます。

観点確かめること
自動化の範囲希望集め・配置案・表の配布の、どこまでできるか
条件の設定資格や相性など、自社のルールを登録できるか
使いやすさスタッフがスマホから希望を出せるか。店長が迷わず使えるか
ほかのソフトとの連携今使っているほかのソフトとつながるか(勤怠や給与のソフトなど、自社で使うもので確かめる)
試し方無料プランや、試せる期間があるか

表の観点は、シフト管理サービスを提供する会社の記事をもとにしました。その記事が挙げる選び方4つに、試し方を加えてまとめました。[出典:株式会社HataLuck and Person「シフト作成をAIで自動化|基礎知識からツール選びまで徹底解説」(2026)]

従業員10〜50名なら、どこから始めるのが現実的か

ポイント

10〜50名の会社は、Excel+生成AIで試し、合わなければ専用システムを検討する順番が現実的です。ルールの優先順位は社長が決め、日々の作業は店長に任せます。(社長と店長の役割分担)

シフト管理システムを提供するオーエムネットワーク社が紹介する導入事例には、1店舗100人規模の店舗のものがあります。[出典:オーエムネットワーク株式会社「R-Shiftで『3日→1時間』――ハンズマン、1店舗100人のシフト作成を劇的短縮」(2025)]規模が違うため、その効果は10〜50名の会社にそのまま当てはまりません。

シフトAIの始め方 STEP 1 Excelで試す 文章でAIに頼む STEP 2 ルールを書く 人数・休みを文章に STEP 3 合えば専用へ 費用と条件を確認
まず今のExcelで試し、合う場合だけ専用システムを調べます。
項目今のやり方(例)生成AIを試した後(例)
配置案づくり店長がExcelに手で入力するAIが案を出す
店長の仕事ゼロから組む案を確認して直す
ルールの置き場店長の頭の中文章にして共有する

生成AIでシフト案を作る手順は、次の4つです。

表と条件をそろえる

AIに渡すのは、表と条件です。表は、縦にスタッフ、横に日付を並べた今のExcelで足ります。

準備するもの

  • 日付とスタッフを並べたシフト表(先月分)
  • 時間帯ごとの必要人数
  • 休み希望と、出られない曜日
  • 資格や得意分野(例:レジ締めができる人)
  • 休憩・休日・連続勤務の社内ルール

名前を記号に置き換える

表の名前を、Aさん・Bさんなどに置き換えます。名前との対応表は、手元のExcelにだけ残します。電話番号など、シフトに要らない情報は消します。

指示文を渡す

表を貼り付けるか、読み込みの機能があれば、ファイルとして渡します。そのうえで、条件を箇条書きで伝えます。箇条書きにすると、抜けに気づきやすくなります。

指示文の例

  • 添付の表をもとに、来月のシフト案を作ってください。
  • 平日の昼は3人必要です。夜は2人必要です。
  • レジ締めができるのは、AさんとCさんです。夜は、どちらか1人を入れてください。
  • Bさんは火曜が休みです。休み希望は、表の「休」の日です。
  • 連続で働く日数は、社内ルールの上限までにしてください。
  • 案は同じ形の表で出してください。条件を満たせない日は、表の下に理由を書いてください。

最後の一文が大事です。満たせない日を書かせると、人が見る所がはっきりします。

出てきた案を確かめる

AIの案は、条件を満たしていないことがあります。次のチェックリストで、人が確かめてください。

  • 時間帯ごとの人数が足りている
  • 資格が要る時間に、資格のある人がいる
  • 休み希望が入っている
  • 休憩・休日・連続勤務のルールを守っている
  • 土日や夜の回数が、特定の人に偏っていない

違う所があれば、どこが違うかを伝えて作り直させます。休憩や休日の法令の基準は、厚生労働省の資料や社会保険労務士に確認します。

最初の1か月でやること

1か月を4つに分けて進めます。

  1. 1週目:必要人数、必要な資格や得意分野、休みのルールを書き出します。
  2. 2週目:書いた内容をAIに渡し、先月分の案を作らせます。渡す前に、スタッフの名前をAさん・Bさんなどに置き換えます。社内の決まりや、使うサービスの設定も確認します。
  3. 3週目:AIの案を、店長が実際に組んだ表と比べます。
  4. 4週目:続けるか、専用システムを調べるかを決めます。

続けるかの判断基準

判断の基準は2つです。ルールを最後まで書き出せたか。AIの案が、少しの手直しで使えたか。

希望休を出す期限と方法も決めます。口頭やメッセージが混ざらないようにし、集まった希望を同じ表にまとめます。

社長と店長の役割分担

社長が決めることは、ルールの優先順位です。たとえば、休み希望と必要人数がぶつかったとき、どちらを優先するかです。

店長に任せることは、希望の収集、AIの案の確認、細かい微調整です。決まりごとが分かれば、店長は迷わず動けます。

店長の代わりに調整する人も決めます。スタッフができる仕事を一覧にし、その人も見られるようにします。責任者と代わりの人の休みが重ならないように組みます。

スタッフにも、始める前に伝えます。「AIが案を作り、最後は店長が決める」ことです。希望の出し方や期限が変わるなら、その点も伝えます。慣れるまで、前のやり方も使える期間を置くと安心です。

導入でつまずく典型例と対策

注意

最初の壁は「ルールの書き出し」です。必要人数や、スタッフどうしの相性を書き出せず、止まってしまうことがあります。シフト作成ツールを紹介する記事でも、データ準備やルール作りに手間がかかると触れています。[出典:TRYETING「AIの活用で煩雑なシフト作成がスムーズに!おすすめツールを紹介」]

よくある失敗3つ

  • ルールが書けない:店長の頭の中にしかない決まりが多いのが原因です。対策は、過去3か月の表を見ながら、直した理由を書き出すことです。
  • AIの案をそのまま使う:AIの案は、下書きです。対策は、休みの偏りや人数不足を、人が必ず確認することです。
  • 店長だけが使える状態になる:やり方が店長の頭の中にあるためです。対策は、頼み方とルールを文書にして、社長も見られるようにすることです。

書き出しチェックリスト

  • ☐ 時間帯ごとの必要人数を書いた
  • ☐ 必要な資格や得意分野を書いた
  • ☐ 休憩や休日のルールを書いた
  • ☐ 「同じ日に入れない」などの相性を書いた
  • ☐ 店長が直す理由を、3つ以上書いた

ルールの書き出しや、AIへの頼み方で迷うときは、相談もできます。カクヤクAIXが、自社に合わせて整理を手伝います。

費用と補助金はどう考える?

中小企業への調査では、AI導入の壁として費用を挙げる声が最も多くなっています。補助金は、要件を満たせば受給できる可能性があります。

「高コスト」が最大の壁という実態

AI導入の壁になっていることを聞いた調査があります。「導入にあたっての高コスト」を挙げた割合は46.9%で、最も高い回答でした。100社のうち約47社にあたります。

調査全体の有効回答は1,668社で、この質問は複数回答です。調査は2025年11月から12月です。[出典:中小企業基盤整備機構(2026)]

AIを実際に導入している中小企業は、5社に1社ほどです。「一部の業務で導入」と「全社的に導入」の合計が20.4%です。対象は1,647社です。[出典:中小企業基盤整備機構(2026)]

デジタル化に取り組み始めた中小企業では、生成AIの活用方針を持つ企業が半数を超えます。「積極的に活用する方針」と「活用する領域を限定して利用する方針」の合計は58.1%です。

対象は、従業員10名以上で2025年までにデジタル化の取組を始めた中小企業の管理職以上(162社)です。ネットで答える調査で、調査時期は2026年1〜2月です。[出典:総務省(2026)]

デジタル化・AI導入補助金の対象になり得るもの

「デジタル化・AI導入補助金」は、名前が変わる前はIT導入補助金と呼ばれていました。通常の申請枠(通常枠)の対象経費は、次のとおりです。

通常枠の対象経費

  • ソフトの購入費
  • ネットで使うサービスの利用料(最大2年分)

導入研修や設定、導入後の問い合わせ対応や点検の費用も、対象になる場合があります。

注意

対象は、ソフトウェアを導入する場合です。ソフトに、特定の仕事向けの機能が1つ以上あることが条件です。どの仕事にも使える共通の機能だけのソフトは、対象になりません。

生成AIを試す段階と、専用システムを入れる段階では、関係が違います。通常枠では、ソフトウェアの導入が対象です。ChatGPTなど個別のサービスが対象になるかは、公式ページで確認してください。

自社が使うソフトが当てはまるかは、販売会社や公式ページで確認してください。

補助額や補助率は、公式ページで確認してください。要件を満たせば受給できる可能性があります。

募集期間と制度の終了予定は、公式ページで最新の情報を確認してください。[出典:中小企業基盤整備機構(デジタル化・AI導入補助金事務局)「通常枠|デジタル化・AI導入補助金2026」(2026)]

よくある質問

Q1. 20人ほどの会社でもAIは必要ですか。ChatGPTだけで足りますか。
人数だけでは決まりません。まずExcelのシフトで、生成AIを試します。ルールを書き出せて、案が少しの手直しで使えるなら、足りる場合があります。毎月の希望集めやスタッフへの送付が重い場合は、専用システムを調べます。
Q2. 「あの人とあの人は同じ日に入れない」などの暗黙のルールは、どう伝えますか。
AIは暗黙のルールを知りません。文章にして渡します。最初に書き出す作業は必要です。一度書けば、毎月使えます。過去の表を見ながら、店長が直した理由を拾うと書きやすくなります。(書き出しチェックリスト)
Q3. 費用や補助金は? 店長が辞めたら、誰も使えなくなりませんか。
月額や減る時間は、製品、人数、今のやり方で変わります。試用や見積りで確かめます。補助金の通常枠では、ソフトウェアの導入が対象です。(デジタル化・AI導入補助金の対象になり得るもの)ChatGPTなど個別のサービスが対象になるかは、公式ページで確認してください。要件を満たせば受給できる可能性があります。終了予定も公式ページで確認してください。店長頼みを防ぐには、ルールと頼み方を文書にして、社長も見られるようにします。
Q4. お金をかけずに試せますか。
生成AIの無料で使える範囲で、まず試せます。専用システムにも、無料プランのある製品があります。試せる期間があるかも確かめます。条件は、各サービスの公式ページで確かめます。無料で試すときも、名前の置き換えは同じように行います。

どこから始めるかを整理したい方は、相談もできます。カクヤクAIXのサービス内容をご確認ください。

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