この記事でわかること
- まずは今のExcelのシフトに、文章で頼むと答えを作るAI(生成AI)を試します。
- 最初の壁は、必要人数やルールを書き出す作業です。
- 専用システムや補助金は、書き出せた後に、費用と条件を確認してから考えます。
シフト作成にAIは使えます。ただしAIの案は下書きで、決めるのは人です。今のExcelで生成AIに案を作らせる4ステップ、確認のチェックリスト、専用システムを選ぶ観点、補助金の考え方を解説します。

この記事でわかること
シフト作成にAIは使えます。ただしAIが出すのは下書きです。最後に決めるのは人です。
AIの役割は、大きく3つに分かれます。
たとえば「火曜の昼は3人必要。Aさんは火曜が休み」と伝えると、AIが案を出します。工場なら「夜勤は各班に2人。B班は火曜が休み」と伝えます。
介護の現場で、どこまで任せてどこから人が決めるかは、介護のシフト自動作成|任せる所と人が決める所で説明しています。
ポイント
押さえるべき点は2つです。AIの案は下書きとして使います。最初に、必要人数とルールを書き出します。
ここで使う公的な数字は、AI活用全般の調査です。シフト作成だけの数字ではありません。
省力化のためにAIを活用する目的として、「業務時間の節減」を挙げた事業者は84.5%です。100事業者のうち約85事業者です。対象は、AI活用に取り組んだ1,685事業者です。いくつでも選べる質問で、2025年11〜12月の調査です。[出典:中小企業庁(2026)]
現場の悩みを聞いた調査もあります。シフト管理サービスを提供するパーソルイノベーション社のブログに載っています。飲食・サービス業の正社員への調査で、課題の1位は「シフト作成の手間が大きい」で22%です。100人のうち約22人にあたります。対象は20〜50代の正社員で、2022年7月に始まったネット調査です。[出典:パーソルイノベーション「シフト希望を集めてから作成までに気をつけること」(2023)]
AIを使うと、作る手間のほかにも変わることがあります。専用システムの機能は、シフト管理サービスを提供する会社の記事が挙げているものです。
必要人数の決め方も見直せます。HataLuck社の記事では、過去の売上をもとに混む時間を予想する仕組みを説明しています。[出典:株式会社HataLuck and Person「シフト作成をAIで自動化|基礎知識からツール選びまで徹底解説」(2026)]
AIでシフトを作るやり方は2つあります。どちらが上ということはなく、特徴が違います。
メモ
1つ目は、ChatGPTのように、文章で頼むとシフト案を作ってもらう「生成AI方式」です。2つ目は、シフト作り向けのソフトに、条件に合う組み合わせを計算で探してもらう「専用システム方式」です。
| 比べる点 | 生成AI方式(文章で頼む) | 専用システム方式(専用ソフト) |
|---|---|---|
| 始めやすさ | 今のExcelのまま試せる | 製品を選び、設定してから使う |
| 向いている人数 | 少人数で、ルールが少ない現場 | 人数が多く、毎月の作業をまとめたい現場 |
| ルールの伝え方 | 文章で伝える | 画面で条件を登録する |
| 休憩・休日の決まりの確認 | 頼んだ範囲のみ。人が確認する | 確認機能を持つ製品がある |
| 費用の考え方 | 使うサービスの料金による | 製品の料金プランによる |
ChatGPTなどに、シフト表と条件を文章で渡します。「昼は3人、夜は2人。Aさんは火曜休み」のように頼みます。ファイルを読み込める機能があれば、今のExcelの表を渡せます。
希望集めから、できた表をスタッフに送るところまでを、1つにまとめられる製品があります。
条件に合う組み合わせを、コンピューターが計算で探す製品もあります。法令チェックの機能を持つ製品もあります。
製品を比べるときは、名前より先に、次の5つを確かめます。
| 観点 | 確かめること |
|---|---|
| 自動化の範囲 | 希望集め・配置案・表の配布の、どこまでできるか |
| 条件の設定 | 資格や相性など、自社のルールを登録できるか |
| 使いやすさ | スタッフがスマホから希望を出せるか。店長が迷わず使えるか |
| ほかのソフトとの連携 | 今使っているほかのソフトとつながるか(勤怠や給与のソフトなど、自社で使うもので確かめる) |
| 試し方 | 無料プランや、試せる期間があるか |
表の観点は、シフト管理サービスを提供する会社の記事をもとにしました。その記事が挙げる選び方4つに、試し方を加えてまとめました。[出典:株式会社HataLuck and Person「シフト作成をAIで自動化|基礎知識からツール選びまで徹底解説」(2026)]
ポイント
10〜50名の会社は、Excel+生成AIで試し、合わなければ専用システムを検討する順番が現実的です。ルールの優先順位は社長が決め、日々の作業は店長に任せます。(社長と店長の役割分担)
シフト管理システムを提供するオーエムネットワーク社が紹介する導入事例には、1店舗100人規模の店舗のものがあります。[出典:オーエムネットワーク株式会社「R-Shiftで『3日→1時間』――ハンズマン、1店舗100人のシフト作成を劇的短縮」(2025)]規模が違うため、その効果は10〜50名の会社にそのまま当てはまりません。
| 項目 | 今のやり方(例) | 生成AIを試した後(例) |
|---|---|---|
| 配置案づくり | 店長がExcelに手で入力する | AIが案を出す |
| 店長の仕事 | ゼロから組む | 案を確認して直す |
| ルールの置き場 | 店長の頭の中 | 文章にして共有する |
生成AIでシフト案を作る手順は、次の4つです。
AIに渡すのは、表と条件です。表は、縦にスタッフ、横に日付を並べた今のExcelで足ります。
準備するもの
表の名前を、Aさん・Bさんなどに置き換えます。名前との対応表は、手元のExcelにだけ残します。電話番号など、シフトに要らない情報は消します。
表を貼り付けるか、読み込みの機能があれば、ファイルとして渡します。そのうえで、条件を箇条書きで伝えます。箇条書きにすると、抜けに気づきやすくなります。
指示文の例
最後の一文が大事です。満たせない日を書かせると、人が見る所がはっきりします。
AIの案は、条件を満たしていないことがあります。次のチェックリストで、人が確かめてください。
違う所があれば、どこが違うかを伝えて作り直させます。休憩や休日の法令の基準は、厚生労働省の資料や社会保険労務士に確認します。
1か月を4つに分けて進めます。
続けるかの判断基準
判断の基準は2つです。ルールを最後まで書き出せたか。AIの案が、少しの手直しで使えたか。
希望休を出す期限と方法も決めます。口頭やメッセージが混ざらないようにし、集まった希望を同じ表にまとめます。
社長が決めることは、ルールの優先順位です。たとえば、休み希望と必要人数がぶつかったとき、どちらを優先するかです。
店長に任せることは、希望の収集、AIの案の確認、細かい微調整です。決まりごとが分かれば、店長は迷わず動けます。
店長の代わりに調整する人も決めます。スタッフができる仕事を一覧にし、その人も見られるようにします。責任者と代わりの人の休みが重ならないように組みます。
スタッフにも、始める前に伝えます。「AIが案を作り、最後は店長が決める」ことです。希望の出し方や期限が変わるなら、その点も伝えます。慣れるまで、前のやり方も使える期間を置くと安心です。
注意
最初の壁は「ルールの書き出し」です。必要人数や、スタッフどうしの相性を書き出せず、止まってしまうことがあります。シフト作成ツールを紹介する記事でも、データ準備やルール作りに手間がかかると触れています。[出典:TRYETING「AIの活用で煩雑なシフト作成がスムーズに!おすすめツールを紹介」]
ルールの書き出しや、AIへの頼み方で迷うときは、相談もできます。カクヤクAIXが、自社に合わせて整理を手伝います。
中小企業への調査では、AI導入の壁として費用を挙げる声が最も多くなっています。補助金は、要件を満たせば受給できる可能性があります。
AI導入の壁になっていることを聞いた調査があります。「導入にあたっての高コスト」を挙げた割合は46.9%で、最も高い回答でした。100社のうち約47社にあたります。
調査全体の有効回答は1,668社で、この質問は複数回答です。調査は2025年11月から12月です。[出典:中小企業基盤整備機構(2026)]
AIを実際に導入している中小企業は、5社に1社ほどです。「一部の業務で導入」と「全社的に導入」の合計が20.4%です。対象は1,647社です。[出典:中小企業基盤整備機構(2026)]
デジタル化に取り組み始めた中小企業では、生成AIの活用方針を持つ企業が半数を超えます。「積極的に活用する方針」と「活用する領域を限定して利用する方針」の合計は58.1%です。
対象は、従業員10名以上で2025年までにデジタル化の取組を始めた中小企業の管理職以上(162社)です。ネットで答える調査で、調査時期は2026年1〜2月です。[出典:総務省(2026)]
「デジタル化・AI導入補助金」は、名前が変わる前はIT導入補助金と呼ばれていました。通常の申請枠(通常枠)の対象経費は、次のとおりです。
通常枠の対象経費
導入研修や設定、導入後の問い合わせ対応や点検の費用も、対象になる場合があります。
注意
対象は、ソフトウェアを導入する場合です。ソフトに、特定の仕事向けの機能が1つ以上あることが条件です。どの仕事にも使える共通の機能だけのソフトは、対象になりません。
生成AIを試す段階と、専用システムを入れる段階では、関係が違います。通常枠では、ソフトウェアの導入が対象です。ChatGPTなど個別のサービスが対象になるかは、公式ページで確認してください。
自社が使うソフトが当てはまるかは、販売会社や公式ページで確認してください。
補助額や補助率は、公式ページで確認してください。要件を満たせば受給できる可能性があります。
募集期間と制度の終了予定は、公式ページで最新の情報を確認してください。[出典:中小企業基盤整備機構(デジタル化・AI導入補助金事務局)「通常枠|デジタル化・AI導入補助金2026」(2026)]
どこから始めるかを整理したい方は、相談もできます。カクヤクAIXのサービス内容をご確認ください。