AI議事録は無料でどこまで?3つの選択肢と試す順番

無料のAI議事録には、時間・回数・保存期間・機能のどれかに上限があります。確かめる項目、録音を伝える方法、3つの選択肢の違い、試す順番と有料にする目安を解説します。

この記事でわかること

  1. 無料のAI議事録には、時間・回数・保存期間・機能のどれかに上限があります。
  2. 無料で試すのは、外に出ても困らない会議からです。取引先や人事の話は最初から入れません。
  3. 手直しにかかった時間と枠の足りなさを記録し、有料にするかやめるかを決めます。

無料のAI議事録は、どこまで使えて、どこで止まるのか?

無料でも議事録づくりは試せますが、どこかに上限があります。上限の種類を知っておけば、自社の会議で止まるかどうかを先に見当づけられます。

なぜ「まず無料で」と考える社長が多いのか

AIを入れるときの壁として、最も多く挙がるのがお金です。中小企業がAI導入の阻害要因に挙げた項目で、「導入にあたっての高コスト」は46.9%で最も高い割合でした。[出典:独立行政法人中小企業基盤整備機構(2026)]

対象は中小企業で、複数回答です。有効回答は1,668件です。

また、AIをすでに導入している中小企業は20.4%です。「一部の業務で導入」と「全社的に導入」の合計です。[出典:独立行政法人中小企業基盤整備機構(2026)]

まだ入れていない会社が多いからこそ、お金をかけずに小さく試す進め方が合います。

無料版の上限は5種類に分けて見る

無料版の上限は、次の5種類に分けると整理しやすくなります。

無料版の上限5種類

  • 月に使える分数
  • 1回の会議で使える長さ
  • 要約をしてくれる回数
  • 録音や文字を残しておける期間
  • 使える機能(話者の区別、Web会議の録音など)

どれが自社の会議に効くかは、会議の長さと回数で変わります。1時間の会議を週に何度も行う会社は、分数の上限に当たりやすくなります。

メモ

ツールごとの具体的な数字は、ここには書きません。記事によって数字が食い違い、変わることもあるためです。最新の数字は各社の公式ページで確認してください。

無料プランで確かめる項目の表

無料プランを比べるときは、ツール名より先に、見る項目を決めます。次の表の項目を、公式ページの料金表や利用規約で確かめます。

確かめる項目見る理由探すときの手がかりになる言葉(例)
月に使える時間の上限月の途中で止まらないか分かる料金、プラン、利用時間
1回の会議で使える長さ長い会議が途中で切れないか分かる録音時間、1回あたり
要約を使える回数文字起こしだけで終わらないか分かる要約、AI機能
保存しておける期間あとから見返せるか分かる保存期間、履歴
話者を分けられるか誰の発言か分かる形で残るか分かる話者、話者識別
入れた内容の扱いAIの学習に使われないか分かるプライバシー、データの利用

無料プランの中身は、あとから変わることがあります。確かめた日付も、一緒に書き残しておきます。

あなたの会議は「無料で試す会議」?「無料では扱わない会議」?

朝礼や社内の定例会議は、無料で試しやすい会議です。取引先や人事の話、未公開の情報が出る会議は、情報の扱いが確認できるまで無料に入れません。

機密度 低い 高い 無料で試す 朝礼 社内の定例会議 確認してから 社内の企画会議など 無料では扱わない 取引先との打ち合わせ 人事の面談 未公開情報が出る会議
機密度の低い会議から順に、無料で試す会議と無料では扱わない会議を分けています。

無料で試してよい会議の目安

次のような会議から始めます。外に漏れても大きな問題にならない会議です。

  • 朝礼やミーティング
  • 社内の定例会議(数字や個人名がほとんど出ないもの)
  • 社内の作業の進み具合を確認する会議

たとえば毎週月曜の30分の定例会議は、最初の1回目に向いています。

無料では扱わない会議の目安

次のような会議は、確認できるまで無料に入れません。

  • 取引先との打ち合わせ
  • 人事の面談や評価の話
  • 価格・契約・未公開の計画が出る会議

会議の音声には、社員や取引先の情報が入りやすいからです。守る相手が社外にいる会議は、特に慎重に扱います。

入れる前に公式ページで見る確認項目

録音を預ける前に、サービスの公式ページで次の5点を見ます。

公式ページで見る5点

  • 音声や文字を、どこに保管するか
  • 入れた内容が、AIの学習に使われるか
  • 保存しておく期間はどれだけか
  • 削除のしかたが分かるか
  • 閲覧できる人の範囲を決められるか

注意

分からない項目があれば、その会議は入れません。社内の会議だけで試せば十分です。

録音とAIでの処理を参加者に伝える

録音する前に、参加者に「録音して、AIで文字にする」と伝えます。黙って録音すると、あとで信頼を損ねるもとになります。

伝える内容は、次の3つです。

  • 録音すること、AIで文字起こしや要約をすること
  • 録音と議事録を、だれが見られるか
  • いつ消すか

社外の人がいる会議では、始める前に相手に確かめます。断られたら、その会議は録音しません。社内でも、録音してよい会議の決まりを先に作っておくと迷いません。

無料で試せる3つの選択肢を比べるとどう違う?

無料で試す方法は、3つに分けられます。専用ツールの無料枠、汎用のAIと録音ファイル、スマホの録音と要約です。すでにWeb会議のサービスを契約していれば、その機能も候補です。オープンソースの文字起こしソフトもありますが、この記事では、自分でソフトを入れて設定しなくても試せる方法に絞ります。どれが優れているかではなく、会議に合うかで選びます。

用途を絞って使う考え方は、国の調査にもあります。生成AIを「積極的に活用する方針」か「活用する領域を限定して利用する方針」と答えた中小企業は、合わせて58.1%でした。[出典:総務省(2026)]

対象は、従業員10名以上でデジタル化に取り組んだ企業の管理職以上です。中小企業の有効回答は162件です。

議事録は、用途を絞って試すのに向いた仕事です。

選択肢手間止まりやすい点向く会議確認すること
専用ツールの無料枠少ない。録音から要約まで1つで進められるものがある(無料で使える機能は公式ページで確認)月の分数、1回の長さ、要約の回数、機能回数が決まった社内の定例会議公式ページの上限と情報の扱い
ChatGPT・Geminiなどの汎用AI+録音ファイル録音を用意し、AIに渡す作業が増える録音ファイルの扱い、話者の区別、無料で使える範囲回数が少ない社内の会議入れた内容の扱いと、無料で使える範囲
スマホの録音+要約録音と要約を別々に行う聞き取りの質、要約を頼む手間少人数の短い会議録音の保存先と、消し方

汎用AIでの議事録のつくり方は、下の関連記事で説明しています。この記事では、選択肢の一つとして位置づけます。

関連記事:議事録AIの使い方|スマホ1台で試す5ステップと社内ルール、議事録は「作る」から「確認」へ。削減時間を試算する

すでに使うWeb会議のAI機能も見る

社内でWeb会議のサービスを契約しているなら、まずその機能を確かめます。サービスによっては、会議の要約や文字起こしをするAI機能が付いている場合があります。

今の契約に含まれていれば、新しいツールを入れずに試せる場合があります。ただし、使えるかどうかはプランや設定で変わります。

メモ

確かめるのは3点です。契約中のプランでAI機能が使えるか。管理者が有効にする必要があるか。要約がどこに残るかです。公式ページで見るか、社内で契約を管理している人に聞きます。

試すときに見る5つの点

どの選択肢でも、試すときは次の5つの点を見ます。どれが優れているかではなく、自社の会議で困らないかを見ます。

見る点試すときの見方
日本語の聞き取り社内の言い回しが、どこまで正しく文字になるか
話者の区別誰が話したかが、分かれて出るか
社名・専門用語取引先の名前や業界の言葉を登録できるか
スマホで使えるか会議室にスマホを置くだけで録れるか
Web会議との連携普段のWeb会議から、そのまま録れるか

どの点の弱さも、手直しの時間に表れます。試した回ごとに残す4つの記録で、どこを直したかも一緒に書き残します。

社長は何から、どの順番で試せばいいのか?

試す順番は、会議を1つ決め、選択肢を選び、上限を確認し、数回試し、記録で判断する流れです。社長が最初にやるのは、会議を1つに絞ることです。

目的ははっきりさせます。省力化投資としてAI活用に取り組んだ事業者の目的は、「業務時間の節減」が84.5%でした。[出典:中小企業庁(2026)]

対象は、AI活用に取り組んだ事業者です。回答数は1,685件で、複数回答です。

議事録の手間を減らす、という目的で試せば、効果も測りやすくなります。

1 会議を 1つ選ぶ 2 選択肢を 1つ選ぶ 3 上限と情報の 扱いを確認 4 2〜3回 試す 5 記録して 決める 有料・継続・やめる
会議を1つ選んでから、記録で有料・継続・やめるを決めるまでの流れです。
  1. 試す会議を1つ決める
  2. 3つの選択肢から1つ選ぶ
  3. 上限と情報の扱いを公式ページで確認する
  4. 2〜3回の会議で試す
  5. 記録して判断する

自分で確かめる意味もあります。DXに取り組んでいない従業員100人以下の企業が挙げた理由では、「自社がDXに取組むメリットがわからない」が54.0%で最も高い割合でした。[出典:独立行政法人情報処理推進機構(2026)]

対象は、DXに取り組んでいない従業員100人以下の企業です。国内企業1,799社を対象にした調査のうち、一部の区分の集計です。

メリットが分からないままなら、小さく試して自分の目で見るのが近道です。

試す会議は「社内・定例・機密度が低い」ものから1つ

最初の会議は、社内で、決まった日に開き、機密度が低いものにします。毎週の定例会議が当てはまります。

ポイント

同じ会議で2〜3回続けると、結果を比べやすくなります。会議を変えると、手直しの量が比べられません。

公式ページで確認する項目

上限と情報の扱いは、記事ではなく公式ページで確認します。記事ごとに数字が食い違うことがあるためです。

見る項目は、月の分数、1回の長さ、要約の回数、保存期間、使える機能です。前の章で挙げた5つの確認項目も、あわせて見ます。(入れる前に公式ページで見る確認項目)

無料のまま続ける?有料にする?やめる?記録で決める方法

試した回ごとに4つをメモすると、続けるか、有料にするか、やめるかを決められます。足りなければ有料、手直しが多ければやめる、機密の会議が出てきたら有料か別の方法を選びます。

試した回ごとに残す4つの記録

会議のあとに、次の4つを書き残します。メモは短くてかまいません。

試した回ごとの記録

  • 手直しにかかった時間
  • 無料枠が足りたか(途中で止まらなかったか)
  • 共有したい人数
  • 会議の機密度(高い・ふつう・低い)

手直しの時間が、手で書く時間と変わらない回が続けば、やめる目安です。

判断は次のように考えます。

判断の目安

  • 枠が足りない、または共有したい人が増えた:有料を検討する
  • 手直しが多く、時間が減らない:やめる
  • 機密の高い会議で使いたくなった:有料か別の方法を考える

よくある失敗と対策

失敗は、次の3つが多くなります。

  • 会議の途中で上限に達して止まる。対策は、始める前に公式ページで残りの枠を見ておくことです。大事な会議の前に、枠を使い切らないようにします。
  • 機密の会議を入れてしまう。対策は、試す会議を最初に1つ決めて、それ以外は入れないことです。
  • 数字を古い記事で確認してしまう。対策は、公式ページの最新の表示を見ることです。

よくある質問

無料のままで、定例会議の議事録は回りますか?

会議の長さと頻度で変わります。上限の種類を確認し、2〜3回試して記録を見て判断します。月に数回の短い会議なら、無料枠で足りることもあります。

取引先の話を無料ツールに入れてもよいですか?

確認できるまでは入れません。保管場所、AIの学習に使われるか、保存期間、削除のしかた、閲覧できる人の範囲を公式ページで見ます。分からなければ、無料では扱いません。

無料の汎用AIと専用ツールのどちらから始めますか?

回数が少ない会議なら汎用AI、毎週決まった会議なら専用ツールの無料枠が合います。手間と止まりやすい点を、先の表で見比べて選びます。(無料で試せる3つの選択肢を比べるとどう違う?)1つ選んで、まず2〜3回試します。

有料に切り替える目安は何ですか?

無料枠が足りなくなる、共有したい人が増える、機密の高い会議でも使いたくなる、のどれかです。記録した4つのメモを見て決めます。

無料枠の数字はどこで確認しますか?

各サービスの公式ページで確認します。記事によって数字が違い、変わることもあるためです。

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