この記事でわかること
- 無料のAI議事録には、時間・回数・保存期間・機能のどれかに上限があります。
- 無料で試すのは、外に出ても困らない会議からです。取引先や人事の話は最初から入れません。
- 手直しにかかった時間と枠の足りなさを記録し、有料にするかやめるかを決めます。
無料のAI議事録には、時間・回数・保存期間・機能のどれかに上限があります。確かめる項目、録音を伝える方法、3つの選択肢の違い、試す順番と有料にする目安を解説します。

この記事でわかること
無料でも議事録づくりは試せますが、どこかに上限があります。上限の種類を知っておけば、自社の会議で止まるかどうかを先に見当づけられます。
AIを入れるときの壁として、最も多く挙がるのがお金です。中小企業がAI導入の阻害要因に挙げた項目で、「導入にあたっての高コスト」は46.9%で最も高い割合でした。[出典:独立行政法人中小企業基盤整備機構(2026)]
対象は中小企業で、複数回答です。有効回答は1,668件です。
また、AIをすでに導入している中小企業は20.4%です。「一部の業務で導入」と「全社的に導入」の合計です。[出典:独立行政法人中小企業基盤整備機構(2026)]
まだ入れていない会社が多いからこそ、お金をかけずに小さく試す進め方が合います。
無料版の上限は、次の5種類に分けると整理しやすくなります。
無料版の上限5種類
どれが自社の会議に効くかは、会議の長さと回数で変わります。1時間の会議を週に何度も行う会社は、分数の上限に当たりやすくなります。
メモ
ツールごとの具体的な数字は、ここには書きません。記事によって数字が食い違い、変わることもあるためです。最新の数字は各社の公式ページで確認してください。
無料プランを比べるときは、ツール名より先に、見る項目を決めます。次の表の項目を、公式ページの料金表や利用規約で確かめます。
| 確かめる項目 | 見る理由 | 探すときの手がかりになる言葉(例) |
|---|---|---|
| 月に使える時間の上限 | 月の途中で止まらないか分かる | 料金、プラン、利用時間 |
| 1回の会議で使える長さ | 長い会議が途中で切れないか分かる | 録音時間、1回あたり |
| 要約を使える回数 | 文字起こしだけで終わらないか分かる | 要約、AI機能 |
| 保存しておける期間 | あとから見返せるか分かる | 保存期間、履歴 |
| 話者を分けられるか | 誰の発言か分かる形で残るか分かる | 話者、話者識別 |
| 入れた内容の扱い | AIの学習に使われないか分かる | プライバシー、データの利用 |
無料プランの中身は、あとから変わることがあります。確かめた日付も、一緒に書き残しておきます。
朝礼や社内の定例会議は、無料で試しやすい会議です。取引先や人事の話、未公開の情報が出る会議は、情報の扱いが確認できるまで無料に入れません。
次のような会議から始めます。外に漏れても大きな問題にならない会議です。
たとえば毎週月曜の30分の定例会議は、最初の1回目に向いています。
次のような会議は、確認できるまで無料に入れません。
会議の音声には、社員や取引先の情報が入りやすいからです。守る相手が社外にいる会議は、特に慎重に扱います。
録音を預ける前に、サービスの公式ページで次の5点を見ます。
公式ページで見る5点
注意
分からない項目があれば、その会議は入れません。社内の会議だけで試せば十分です。
録音する前に、参加者に「録音して、AIで文字にする」と伝えます。黙って録音すると、あとで信頼を損ねるもとになります。
伝える内容は、次の3つです。
社外の人がいる会議では、始める前に相手に確かめます。断られたら、その会議は録音しません。社内でも、録音してよい会議の決まりを先に作っておくと迷いません。
無料で試す方法は、3つに分けられます。専用ツールの無料枠、汎用のAIと録音ファイル、スマホの録音と要約です。すでにWeb会議のサービスを契約していれば、その機能も候補です。オープンソースの文字起こしソフトもありますが、この記事では、自分でソフトを入れて設定しなくても試せる方法に絞ります。どれが優れているかではなく、会議に合うかで選びます。
用途を絞って使う考え方は、国の調査にもあります。生成AIを「積極的に活用する方針」か「活用する領域を限定して利用する方針」と答えた中小企業は、合わせて58.1%でした。[出典:総務省(2026)]
対象は、従業員10名以上でデジタル化に取り組んだ企業の管理職以上です。中小企業の有効回答は162件です。
議事録は、用途を絞って試すのに向いた仕事です。
| 選択肢 | 手間 | 止まりやすい点 | 向く会議 | 確認すること |
|---|---|---|---|---|
| 専用ツールの無料枠 | 少ない。録音から要約まで1つで進められるものがある(無料で使える機能は公式ページで確認) | 月の分数、1回の長さ、要約の回数、機能 | 回数が決まった社内の定例会議 | 公式ページの上限と情報の扱い |
| ChatGPT・Geminiなどの汎用AI+録音ファイル | 録音を用意し、AIに渡す作業が増える | 録音ファイルの扱い、話者の区別、無料で使える範囲 | 回数が少ない社内の会議 | 入れた内容の扱いと、無料で使える範囲 |
| スマホの録音+要約 | 録音と要約を別々に行う | 聞き取りの質、要約を頼む手間 | 少人数の短い会議 | 録音の保存先と、消し方 |
汎用AIでの議事録のつくり方は、下の関連記事で説明しています。この記事では、選択肢の一つとして位置づけます。
関連記事:議事録AIの使い方|スマホ1台で試す5ステップと社内ルール、議事録は「作る」から「確認」へ。削減時間を試算する
社内でWeb会議のサービスを契約しているなら、まずその機能を確かめます。サービスによっては、会議の要約や文字起こしをするAI機能が付いている場合があります。
今の契約に含まれていれば、新しいツールを入れずに試せる場合があります。ただし、使えるかどうかはプランや設定で変わります。
メモ
確かめるのは3点です。契約中のプランでAI機能が使えるか。管理者が有効にする必要があるか。要約がどこに残るかです。公式ページで見るか、社内で契約を管理している人に聞きます。
どの選択肢でも、試すときは次の5つの点を見ます。どれが優れているかではなく、自社の会議で困らないかを見ます。
| 見る点 | 試すときの見方 |
|---|---|
| 日本語の聞き取り | 社内の言い回しが、どこまで正しく文字になるか |
| 話者の区別 | 誰が話したかが、分かれて出るか |
| 社名・専門用語 | 取引先の名前や業界の言葉を登録できるか |
| スマホで使えるか | 会議室にスマホを置くだけで録れるか |
| Web会議との連携 | 普段のWeb会議から、そのまま録れるか |
どの点の弱さも、手直しの時間に表れます。試した回ごとに残す4つの記録で、どこを直したかも一緒に書き残します。
試す順番は、会議を1つ決め、選択肢を選び、上限を確認し、数回試し、記録で判断する流れです。社長が最初にやるのは、会議を1つに絞ることです。
目的ははっきりさせます。省力化投資としてAI活用に取り組んだ事業者の目的は、「業務時間の節減」が84.5%でした。[出典:中小企業庁(2026)]
対象は、AI活用に取り組んだ事業者です。回答数は1,685件で、複数回答です。
議事録の手間を減らす、という目的で試せば、効果も測りやすくなります。
自分で確かめる意味もあります。DXに取り組んでいない従業員100人以下の企業が挙げた理由では、「自社がDXに取組むメリットがわからない」が54.0%で最も高い割合でした。[出典:独立行政法人情報処理推進機構(2026)]
対象は、DXに取り組んでいない従業員100人以下の企業です。国内企業1,799社を対象にした調査のうち、一部の区分の集計です。
メリットが分からないままなら、小さく試して自分の目で見るのが近道です。
最初の会議は、社内で、決まった日に開き、機密度が低いものにします。毎週の定例会議が当てはまります。
ポイント
同じ会議で2〜3回続けると、結果を比べやすくなります。会議を変えると、手直しの量が比べられません。
上限と情報の扱いは、記事ではなく公式ページで確認します。記事ごとに数字が食い違うことがあるためです。
見る項目は、月の分数、1回の長さ、要約の回数、保存期間、使える機能です。前の章で挙げた5つの確認項目も、あわせて見ます。(入れる前に公式ページで見る確認項目)
試した回ごとに4つをメモすると、続けるか、有料にするか、やめるかを決められます。足りなければ有料、手直しが多ければやめる、機密の会議が出てきたら有料か別の方法を選びます。
会議のあとに、次の4つを書き残します。メモは短くてかまいません。
試した回ごとの記録
手直しの時間が、手で書く時間と変わらない回が続けば、やめる目安です。
判断は次のように考えます。
判断の目安
失敗は、次の3つが多くなります。
会議の長さと頻度で変わります。上限の種類を確認し、2〜3回試して記録を見て判断します。月に数回の短い会議なら、無料枠で足りることもあります。
確認できるまでは入れません。保管場所、AIの学習に使われるか、保存期間、削除のしかた、閲覧できる人の範囲を公式ページで見ます。分からなければ、無料では扱いません。
回数が少ない会議なら汎用AI、毎週決まった会議なら専用ツールの無料枠が合います。手間と止まりやすい点を、先の表で見比べて選びます。(無料で試せる3つの選択肢を比べるとどう違う?)1つ選んで、まず2〜3回試します。
無料枠が足りなくなる、共有したい人が増える、機密の高い会議でも使いたくなる、のどれかです。記録した4つのメモを見て決めます。
各サービスの公式ページで確認します。記事によって数字が違い、変わることもあるためです。