議事録AIの使い方|スマホ1台で試す5ステップと社内ルール

議事録AIは録音→文字起こし→要約→人が確認する流れで、スマホだけで試せます。責任と機密管理の社内ルール4点を決めておくことが重要です。

この記事でわかること

  1. スマホで録音し、文字起こしをAIで要約、人が確認する流れで試せます。
  2. AIの出力は下書きです。人が確認して初めて、正式な記録になります。
  3. 費用や時間の効果は、自社の1回で確かめます。

議事録AIで何が変わる? 録音から「決定事項と宿題」まで整理してくれる

議事録AIは、録音から文字起こし、要約、宿題の整理までを手伝います。流れは、スマホで録音し、文字起こしをAIで要約して、人が確認する形です。

会議の記録をノートPCで確認する社長
まずは手元のスマホで、1回の会議から試してみましょう。

議事録AIがやってくれること

議事録AIは、2つの技術を組み合わせた道具です。話し声を文字にする技術(音声認識)と、文章の意味をとらえる技術(自然言語処理)です。

できることは主に4つです。

議事録AIでできる4つ

  • 話し声の文字起こし
  • 長い話の要約
  • 決まったことと宿題(やること)の取り出し
  • 関係者への共有

人が手作業でまとめていた作業を、下書きまで進めてくれます。

時間のほかにも、良い点があります。記録係がメモに追われず、話し合いに加われます。文字で残るので、あとから言葉で探せます。

メモ

サービスによっては、誰が話したかを分ける機能(話者分離)もあります。正しく分けられるかは、自社の会議で1回試して確かめてください。

AIを導入している中小企業は、まだ5社に1社ほど

AIを「一部の業務で導入」または「全社的に導入」している中小企業は20.4%です。およそ5社に1社です。対象は中小企業1,647社です。[出典:中小企業基盤整備機構(2026)]

省力化投資でAIを活用する目的を、AI活用に取り組んだ事業者に聞くと、「業務時間の節減」が84.5%でした。100社中およそ85社が挙げています。対象はAI活用に取り組んだ1,685事業者で、複数回答です。[出典:中小企業庁(2026)]

導入を妨げる理由として、「導入にあたっての高コスト」を挙げた割合は46.9%でした。対象は有効回答1,668件の中小企業で、複数回答です。[出典:中小企業基盤整備機構(2026)]

議事録の負担については、録音機器を扱うキヤノンマーケティングジャパンの調査があります。議事録・発言録の作成業務に負担を感じている人は67.2%でした。対象は、勤め先で議事録作成業務がある全国の20〜59歳のビジネスパーソン(派遣社員・パート・アルバイトを除く)1,000人です。調査は2022年12月で、中小企業に限った調査ではありません。[出典:キヤノンマーケティングジャパン(2023)PR TIMES掲載の調査]

最初の1回はスマホだけで試せる?

試せます。専用の機器や有料サービスの契約は、あとで考えれば足ります。まずは手元のスマホで、1回だけ録音してみてください。

1 録音 スマホで 録音する 2 文字起こし 声を文字に する 3 AIで要約 決定事項・宿題 担当者・期限 4 人が確認 名前・金額・ 日付を見る 5 共有 参加者に 配る
スマホで録音し、AIで要約したあと、必ず人が確認してから共有します。

機密度の低い定例会議をスマホで録音する

最初に選ぶのは、外に出ても困らない会議です。たとえば、毎週の連絡事項を確認する定例会議です。

録音の前に、参加者へ「今日は試しに録音します」と伝えます。スマホは机の真ん中に置きます。

文字起こしをAIに渡し、決定事項・宿題・担当者・期限を出させる

お使いのスマホやサービスに文字起こしの機能があれば、それを使います。録音アプリや会議サービスのメニューに「文字起こし」があるかを見ます。できた文章を、文章を作るAI(生成AI)に貼り付けます。

貼り付ける生成AIは、社内で使ってよいと決めたものにします。初めてなら、使い慣れた社員と一緒に操作します。最初は機密を含まない短い文章で、貼り付けと指示を練習します。

指示の例は次のとおりです。

「次の会議の文章から、決定事項、宿題、担当者、期限を一覧にしてください。分からない項目は『不明』と書いてください。」

ポイント

「不明」と書かせると、確認すべき箇所の目印になります。「不明」と出た項目は重点的に確認します。表示がない項目も、録音や元の文章と照合します。

人が必ず確認してから共有する

AIの出力は、そのまま配りません。確認する点は4つです。

確認する4つの点

  • 人の名前
  • 金額や数量
  • 日付と期限
  • 決定事項と、ただの雑談の区別

直したうえで、参加者に共有します。

慣れてきたら:使い方を3つに分けて考える

この記事では、使い方で3つに分けて考えます。分け方は、録音と文字起こしをどこでするかです。

使い方録音と文字起こしをする場所考えやすい場面
スマホのアプリで行うスマホのアプリの中会議室や現場での対面の会議
会議のアプリで行う使っているオンライン会議のアプリに機能があれば、その中オンライン会議が中心の会社
文字にしてからAIで整える文字にしたあと、生成AIに渡すまず手持ちの道具で試したいとき

この記事の手順は、3つ目の使い方です。専用のサービスを考えるのは、たとえば次のようなときです。

  • 会議が多く、毎回の貼り付けが手間になってきた
  • 誰が話したかを、自動で分けて残したい
  • 社内で使ってよい生成AIが、まだ決まっていない

専用サービスを比べるときに見る点

比べるときは、製品の名前より先に、自社の会議で確かめる点を決めます。

比べる点自社で確かめること
日本語の聞き取り社内の専門用語や部品の呼び名が、正しく文字になるか
話者分離対面の会議で、誰の発言かを正しく分けられるか
対面での録音会議室や現場で、スマホや機器から録音できるか
今の道具との連携使っている会議アプリや、保存場所に送れるか
料金の形と無料の範囲料金がどう決まるか。無料の範囲や試用にどんな上限があるか
データの扱い下の導入前に確認すること:データの暗号化/AI学習への不使用設定/保存場所(国内か海外か)/アクセス権限と監査ログの4点

どの点も、無料の範囲や試用で、自社の会議を1回録って確かめます。

関連記事:議事録は「作る」から「確認」へ。削減時間を試算する

対面・現場の会議や取引先との打ち合わせでも使える?

使えます。ただし、AIは聞き取りを間違える前提で運用を組みます。取引先との打ち合わせは、録音前に必ず同意を取ります。

聞き取りミスが出やすい場面と、先にできる対策

方言、専門用語、機械の音が多い現場では、聞き取りミスが増えます。たとえば、現場だけで通じる部品の呼び名は、別の言葉に変わりやすいです。

先にできる対策は2つです。

  • よく出る専門用語と、社内だけの呼び名を一覧にしておく。文字起こしの確認のとき、見比べる表になる
  • 会議の中で「決定は〇〇です」「宿題は〇〇さんです」と言い切る。要約の質が上がりやすくなります

取引先・顧客に録音の同意をどう伝えるか

録音は、会議の前に伝えておきます。連絡の例は次のとおりです。

「議事録を正確に残すため、録音させてください。社内の記録だけに使います。」

注意

その場で同意を確認し、「困る」と言われたら録音しません。この運用を、社内であらかじめ決めておきます。

AIが間違えたら誰が責任を持つ? 正式記録は「人が確認した版」と決める

ポイント

AIが作ったものは下書きです。最終確認者が承認した版だけを、正式記録と決めます。

AIの出力 まだ下書き 最終確認者 が承認する 正式記録 1か所に保存
AIの出力は下書きで、最終確認者が承認した版だけが正式記録になります。

社内ルール4点:録音の事前周知/最終確認者/人が必ず確認/保存場所の統一

4点のルールを、紙1枚にして決めておきます。

社内ルール4点

  1. 録音の事前周知:録音することを、参加者に前もって伝える
  2. 最終確認者:会議ごとに1人決める。議長や総務の担当者などです
  3. 人が必ず確認:AIの出力は、確認前に配らない
  4. 保存場所の統一:正式記録は1か所に置く。個人のスマホには残さない

間違いの責任は、承認した人と会社が持つ形にします。社内ルールとして、AIの出力をそのまま正式記録にはしません。

よくある失敗と防ぎ方

社内ルールがないことで起きる失敗もあります。始める前に、次の表で防ぎ方を決めておきます。

よくある失敗起きること防ぎ方
AIの誤りをそのまま配った名前や期限の間違いが、決まったこととして伝わる確認前に配らない。最終確認者が承認してから共有する
発言者を取り違えた言っていない約束が、その人の発言として残る決定や約束の発言は、話した人の名前を確認する
録音を嫌がられた参加者が話しにくくなり、会議の空気が悪くなる目的と使い道を前もって伝える。断られたら録らない
どれが正式記録か分からない下書きと修正版が、個人のスマホやメールに散らばる承認した版だけを1か所に置く。下書きは消す

導入前に確認すること:データの暗号化/AI学習への不使用設定/保存場所(国内か海外か)/アクセス権限と監査ログ

専用のサービスを選ぶときは、次の4点を確かめます。確かめ方は、サービスの説明ページで探すか、問い合わせでこの4点を聞くことです。

サービス選びの確認4点

  • データの暗号化:第三者が読めない形で保存されるか
  • AI学習への不使用設定:自社の会議の内容を、AIの学習に使わせない設定があるか
  • 保存場所:データが国内にあるか、海外にあるか
  • アクセス権限と監査ログ:見られる人を限れるか。だれがいつ見たかの記録が残るか

答えが分からないときは、機密度の高い会議には使いません。

自社の会議でどこから始めるかは、相談もできます。

費用・時間・助成金はどう考える?

効果は、自社で1回試した結果で確かめます。時短の数字は参考にとどめます。助成金は、導入を決める前に個別に確認します。

まずは追加費用を抑えて1回試す

高コストは、導入を妨げる理由に挙がっています。挙げた割合は46.9%です。対象は有効回答1,668件の中小企業で、複数回答です。[出典:中小企業基盤整備機構(2026)]

そこで最初は、お使いのスマホやサービスに文字起こしの機能があり、生成AIも使えるなら、その範囲で1回試します。使えるものがなければ、無理に新しく契約せず、流れの確認だけにとどめます。記録するのは2つです。

  • 試した会議の時間
  • 議事録を仕上げるまでにかかった時間

この2つが、自社の効果を見る物差しになります。

無料の範囲で試すときは、先に次の2つを確かめます。

  • 1回に録音や文字起こしができる時間、保存できる量に上限があるか
  • 無料版でも、会議の内容をAIの学習に使わせない設定があるか

時間はどれだけ減る? 参考になる調査と、その限界

AI議事録ツールを提供するtldx Solutionsの調査があります。議事録1本あたり30分以上短縮した人は57人でした。[出典:tldx Solutions GmbH「AI議事録ツールで95%が時短に成功、80%は作成時間が導入前の50%以下に【AI議事録ツール利用者100名調査】」(2026)]

対象は、AI議事録ツールの利用者100人です。導入前は手作業で議事録を作っていた人に限ります。

ただし、これは販売元が自社で行った調査です。ツールを使い続けている人が答えています。自社で同じ結果になるとは限りません。

助成金・補助金は使える?

注意

今回の調べでは、議事録AIに使える助成金・補助金は、汎用のものも含めて確認できていません。導入を決める前に、個別に確認してください。

よくある質問

Q1. うちは対面の会議が中心です。スマホで録音するだけで足りますか。

最初の1回は、スマホ録音で足ります。録音した音声を文字にして、AIで要約し、人が確認します。声が聞き取りにくい現場では、専門用語の一覧と、決定事項を言い切る運用を足します(聞き取りミスが出やすい場面と、先にできる対策)。

Q2. AIが間違えたら、誰が責任を持ちますか。

社内ルールとして、承認した人と会社が責任を持つ形に決めておきます。AIの出力は下書きとし、最終確認者が承認した版だけを正式記録にします。

Q3. 取引先の話や社内の機密は、外に漏れませんか。

最初は、機密度の低い社内会議から始めます。専用のサービスを選ぶときは、暗号化、AI学習への不使用設定、保存場所、アクセス権限と監査ログを確かめます。取引先の打ち合わせは、録音前に同意を取ります。

Q4. 月いくらかかりますか。

料金は、選ぶサービスによって変わります。まずは追加費用を抑えて1回試し、かかった時間を記録します(まずは追加費用を抑えて1回試す)。その結果を見てから、有料のサービスを検討します。

Q5. 助成金は使えますか。

今回の調べでは、議事録AIに使える助成金・補助金は、汎用のものも含めて確認できていません。導入を決める前に、個別に確認してください。

Q6. 議事録の次に、日報や申し送りにも広げられますか。

広げられます。議事録も日報も申し送り(交代時の引き継ぎ連絡)も、同じ「記録業務」です。「話した内容を残し、要点をまとめ、人が確認する」という流れは共通です。議事録で流れに慣れてから、ほかの記録に進めます。

まとめ

議事録AIは、スマホ1台の録音から試せます。AIの出力は下書きと決め、人が確認した版だけを正式記録にします。効果は、自社の1回で確かめます。

次の一歩は、機密度の低い定例会議を1回録音することです。議事録AIの始め方について相談できます。

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