この記事でわかること
- スマホで録音し、文字起こしをAIで要約、人が確認する流れで試せます。
- AIの出力は下書きです。人が確認して初めて、正式な記録になります。
- 費用や時間の効果は、自社の1回で確かめます。
議事録AIは録音→文字起こし→要約→人が確認する流れで、スマホだけで試せます。責任と機密管理の社内ルール4点を決めておくことが重要です。

この記事でわかること
議事録AIは、録音から文字起こし、要約、宿題の整理までを手伝います。流れは、スマホで録音し、文字起こしをAIで要約して、人が確認する形です。
議事録AIは、2つの技術を組み合わせた道具です。話し声を文字にする技術(音声認識)と、文章の意味をとらえる技術(自然言語処理)です。
できることは主に4つです。
議事録AIでできる4つ
人が手作業でまとめていた作業を、下書きまで進めてくれます。
時間のほかにも、良い点があります。記録係がメモに追われず、話し合いに加われます。文字で残るので、あとから言葉で探せます。
メモ
サービスによっては、誰が話したかを分ける機能(話者分離)もあります。正しく分けられるかは、自社の会議で1回試して確かめてください。
AIを「一部の業務で導入」または「全社的に導入」している中小企業は20.4%です。およそ5社に1社です。対象は中小企業1,647社です。[出典:中小企業基盤整備機構(2026)]
省力化投資でAIを活用する目的を、AI活用に取り組んだ事業者に聞くと、「業務時間の節減」が84.5%でした。100社中およそ85社が挙げています。対象はAI活用に取り組んだ1,685事業者で、複数回答です。[出典:中小企業庁(2026)]
導入を妨げる理由として、「導入にあたっての高コスト」を挙げた割合は46.9%でした。対象は有効回答1,668件の中小企業で、複数回答です。[出典:中小企業基盤整備機構(2026)]
議事録の負担については、録音機器を扱うキヤノンマーケティングジャパンの調査があります。議事録・発言録の作成業務に負担を感じている人は67.2%でした。対象は、勤め先で議事録作成業務がある全国の20〜59歳のビジネスパーソン(派遣社員・パート・アルバイトを除く)1,000人です。調査は2022年12月で、中小企業に限った調査ではありません。[出典:キヤノンマーケティングジャパン(2023)PR TIMES掲載の調査]
試せます。専用の機器や有料サービスの契約は、あとで考えれば足ります。まずは手元のスマホで、1回だけ録音してみてください。
最初に選ぶのは、外に出ても困らない会議です。たとえば、毎週の連絡事項を確認する定例会議です。
録音の前に、参加者へ「今日は試しに録音します」と伝えます。スマホは机の真ん中に置きます。
お使いのスマホやサービスに文字起こしの機能があれば、それを使います。録音アプリや会議サービスのメニューに「文字起こし」があるかを見ます。できた文章を、文章を作るAI(生成AI)に貼り付けます。
貼り付ける生成AIは、社内で使ってよいと決めたものにします。初めてなら、使い慣れた社員と一緒に操作します。最初は機密を含まない短い文章で、貼り付けと指示を練習します。
指示の例は次のとおりです。
「次の会議の文章から、決定事項、宿題、担当者、期限を一覧にしてください。分からない項目は『不明』と書いてください。」
ポイント
「不明」と書かせると、確認すべき箇所の目印になります。「不明」と出た項目は重点的に確認します。表示がない項目も、録音や元の文章と照合します。
AIの出力は、そのまま配りません。確認する点は4つです。
確認する4つの点
直したうえで、参加者に共有します。
この記事では、使い方で3つに分けて考えます。分け方は、録音と文字起こしをどこでするかです。
| 使い方 | 録音と文字起こしをする場所 | 考えやすい場面 |
|---|---|---|
| スマホのアプリで行う | スマホのアプリの中 | 会議室や現場での対面の会議 |
| 会議のアプリで行う | 使っているオンライン会議のアプリに機能があれば、その中 | オンライン会議が中心の会社 |
| 文字にしてからAIで整える | 文字にしたあと、生成AIに渡す | まず手持ちの道具で試したいとき |
この記事の手順は、3つ目の使い方です。専用のサービスを考えるのは、たとえば次のようなときです。
比べるときは、製品の名前より先に、自社の会議で確かめる点を決めます。
| 比べる点 | 自社で確かめること |
|---|---|
| 日本語の聞き取り | 社内の専門用語や部品の呼び名が、正しく文字になるか |
| 話者分離 | 対面の会議で、誰の発言かを正しく分けられるか |
| 対面での録音 | 会議室や現場で、スマホや機器から録音できるか |
| 今の道具との連携 | 使っている会議アプリや、保存場所に送れるか |
| 料金の形と無料の範囲 | 料金がどう決まるか。無料の範囲や試用にどんな上限があるか |
| データの扱い | 下の導入前に確認すること:データの暗号化/AI学習への不使用設定/保存場所(国内か海外か)/アクセス権限と監査ログの4点 |
どの点も、無料の範囲や試用で、自社の会議を1回録って確かめます。
関連記事:議事録は「作る」から「確認」へ。削減時間を試算する
使えます。ただし、AIは聞き取りを間違える前提で運用を組みます。取引先との打ち合わせは、録音前に必ず同意を取ります。
方言、専門用語、機械の音が多い現場では、聞き取りミスが増えます。たとえば、現場だけで通じる部品の呼び名は、別の言葉に変わりやすいです。
先にできる対策は2つです。
録音は、会議の前に伝えておきます。連絡の例は次のとおりです。
「議事録を正確に残すため、録音させてください。社内の記録だけに使います。」
注意
その場で同意を確認し、「困る」と言われたら録音しません。この運用を、社内であらかじめ決めておきます。
ポイント
AIが作ったものは下書きです。最終確認者が承認した版だけを、正式記録と決めます。
4点のルールを、紙1枚にして決めておきます。
社内ルール4点
間違いの責任は、承認した人と会社が持つ形にします。社内ルールとして、AIの出力をそのまま正式記録にはしません。
社内ルールがないことで起きる失敗もあります。始める前に、次の表で防ぎ方を決めておきます。
| よくある失敗 | 起きること | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| AIの誤りをそのまま配った | 名前や期限の間違いが、決まったこととして伝わる | 確認前に配らない。最終確認者が承認してから共有する |
| 発言者を取り違えた | 言っていない約束が、その人の発言として残る | 決定や約束の発言は、話した人の名前を確認する |
| 録音を嫌がられた | 参加者が話しにくくなり、会議の空気が悪くなる | 目的と使い道を前もって伝える。断られたら録らない |
| どれが正式記録か分からない | 下書きと修正版が、個人のスマホやメールに散らばる | 承認した版だけを1か所に置く。下書きは消す |
専用のサービスを選ぶときは、次の4点を確かめます。確かめ方は、サービスの説明ページで探すか、問い合わせでこの4点を聞くことです。
サービス選びの確認4点
答えが分からないときは、機密度の高い会議には使いません。
自社の会議でどこから始めるかは、相談もできます。
効果は、自社で1回試した結果で確かめます。時短の数字は参考にとどめます。助成金は、導入を決める前に個別に確認します。
高コストは、導入を妨げる理由に挙がっています。挙げた割合は46.9%です。対象は有効回答1,668件の中小企業で、複数回答です。[出典:中小企業基盤整備機構(2026)]
そこで最初は、お使いのスマホやサービスに文字起こしの機能があり、生成AIも使えるなら、その範囲で1回試します。使えるものがなければ、無理に新しく契約せず、流れの確認だけにとどめます。記録するのは2つです。
この2つが、自社の効果を見る物差しになります。
無料の範囲で試すときは、先に次の2つを確かめます。
AI議事録ツールを提供するtldx Solutionsの調査があります。議事録1本あたり30分以上短縮した人は57人でした。[出典:tldx Solutions GmbH「AI議事録ツールで95%が時短に成功、80%は作成時間が導入前の50%以下に【AI議事録ツール利用者100名調査】」(2026)]
対象は、AI議事録ツールの利用者100人です。導入前は手作業で議事録を作っていた人に限ります。
ただし、これは販売元が自社で行った調査です。ツールを使い続けている人が答えています。自社で同じ結果になるとは限りません。
注意
今回の調べでは、議事録AIに使える助成金・補助金は、汎用のものも含めて確認できていません。導入を決める前に、個別に確認してください。
最初の1回は、スマホ録音で足ります。録音した音声を文字にして、AIで要約し、人が確認します。声が聞き取りにくい現場では、専門用語の一覧と、決定事項を言い切る運用を足します(聞き取りミスが出やすい場面と、先にできる対策)。
社内ルールとして、承認した人と会社が責任を持つ形に決めておきます。AIの出力は下書きとし、最終確認者が承認した版だけを正式記録にします。
最初は、機密度の低い社内会議から始めます。専用のサービスを選ぶときは、暗号化、AI学習への不使用設定、保存場所、アクセス権限と監査ログを確かめます。取引先の打ち合わせは、録音前に同意を取ります。
料金は、選ぶサービスによって変わります。まずは追加費用を抑えて1回試し、かかった時間を記録します(まずは追加費用を抑えて1回試す)。その結果を見てから、有料のサービスを検討します。
今回の調べでは、議事録AIに使える助成金・補助金は、汎用のものも含めて確認できていません。導入を決める前に、個別に確認してください。
広げられます。議事録も日報も申し送り(交代時の引き継ぎ連絡)も、同じ「記録業務」です。「話した内容を残し、要点をまとめ、人が確認する」という流れは共通です。議事録で流れに慣れてから、ほかの記録に進めます。
議事録AIは、スマホ1台の録音から試せます。AIの出力は下書きと決め、人が確認した版だけを正式記録にします。効果は、自社の1回で確かめます。
次の一歩は、機密度の低い定例会議を1回録音することです。議事録AIの始め方について相談できます。