AIエージェントの作り方|任せる1業務から始める5ステップ

AIエージェントは決まった仕事を自分で段取りして進めるAIです。作る前に任せる1業務を決め、人の確認を残して小さく試す5ステップと、自社と外部の分担を解説します。

この記事でわかること

  • AIエージェントは「決まった仕事を自分で段取りして進めるAI」です。作る前に、任せる1業務を決めるのが先です。
  • 人が確認する場所を残し、少ない件数で小さく試します。そのあとで、続けるか、直すか、やめるかを決めます。
  • 業務の中身を決めて確認するのは自社、つなぎ込みや作り込みは外部、と分けると進めやすくなります。

AIエージェントとは?まず「作る」前に知っておくこと

結論から言うと、AIエージェントは「決まった仕事を、自分で段取りして進めるAI」です。作り始める前に、何を任せるかを決めておくことが大切です。

ふだん使う生成AI(質問に答えるAI)は、聞かれたことに答えます。チャットボットは、決まった質問に決まった答えを返す仕組みです。AIエージェントは、答えるだけでなく、仕事の順番を考えて、次の作業まで進めます。

メモ

RPA(決まった画面操作を繰り返すソフト)は、手順が決まっている作業が得意です。AIエージェントは、状況を見て次にやることを選ぶ点が違います。

では、中小企業のAI導入はどこまで進んでいるのでしょうか。中小企業基盤整備機構の調査では、AIを既に導入している会社は20.4%でした。「一部の業務で導入」と「全社的に導入」の合計です。対象は中小企業1,647社で、調査期間は2025年11月17日から12月12日です。[出典:中小企業基盤整備機構(2026)]

DXの具体的な取組み・検討内容として「AIの活用」を挙げた中小企業は28.4%でした。前回調査は14.3%です。対象は全国の中小企業1,000社で、調査期間は2025年12月5日から18日です。[出典:中小企業基盤整備機構(2026)]

総務省の情報通信白書では、生成AIを活用する方針の中小企業は58.1%でした。「積極的に活用する」と「領域を限定して利用する」の合計です。対象は、従業員10名以上でデジタル化の取組を始めた企業の管理職以上です。中小企業の回答は162で、調査は2026年1〜2月のインターネット調査です。[出典:総務省(2026)]

まだ導入済みは20.4%の段階です。今から考え始めても、出遅れではありません。

AI導入の全体の進め方は、中小企業のAI活用は20.4%、社長一人から始める4ステップで整理しています。

最初の1業務はどう選ぶ?社長のための4つの目安

結論は、最初の1業務は「毎回ほぼ同じ手順で、失敗しても取り返せる仕事」から選ぶことです。目的を「楽にしたい」で終わらせず、4つの目安で絞ります。

次のチェックリストで、候補の業務が最初の1本に向くか確かめてください。

  • 毎回ほぼ同じ手順で進める仕事である
  • 失敗しても、あとで取り返せる仕事である
  • 今、だれが何時間使っているか言える
  • 手順書がなくても、話せば書き出せる

自社で見る項目

  • 業務の名前と、今の担当者
  • 1週間にかかる時間
  • 1か月に何件ほどあるか
  • 間違えたときに起きること

AIを使う目的では、時間の節約を挙げる会社が多くあります。省力化投資でAI活用に取り組んだ事業者のうち、目的に「業務時間の節減」を選んだ割合は84.5%でした。対象は1,685社で、複数回答です。[出典:中小企業庁(2026)]

「人手不足の解消」を選んだ割合は40.5%でした。同じ1,685社への複数回答です。[出典:中小企業庁(2026)]

手作業の多さも目安になります。ITを導入済みの中小企業のうち、業務の8割以上が手作業の会社は20.2%でした。対象は922社です。[出典:中小企業基盤整備機構(2026)]

任せる業務の例は、経理の定型作業、問い合わせ対応、社内の質問窓口、調べものなどです。経理は1人で担う会社も多く、売上高1千万円以下の事業者の79.4%が1人で経理事務をしています。対象は907社の事業者です。[出典:日本商工会議所・東京商工会議所(2025)]

手順書がなく、手順が頭の中にある場合も大丈夫です。話した内容を書き起こすところから始められます。やり方はステップ2:今の手順を書き出すで説明します。

AIエージェントの作り方は?5つのステップ

結論として、作り方は「決める→書き出す→確認の場所を決める→小さく試す→続けるか判断する」の5つです。いきなりツールを選ばず、人の仕事の整理から始めます。

任せる1業務を1行で決める

最初に、「だれの、どの業務を、どれだけ楽にするか」を1行で書きます。例は「経理担当の、月末の請求書の入力を、半分の時間にする」の形です。

1行で書けないときは、業務がまだ大きすぎます。もっと小さく区切ります。この1行が、のちの試験や判断の物差しになります。

今の手順を書き出す

次に、今の手順を順番に書き出します。手順書がなければ、社長か担当者が話して、それを書き起こします。

書くのが苦手でも、話すことならできます。話した内容は、AIに文章へまとめてもらえます。迷った所や例外も、そのまま書いておきます。

人が確認する場所を決める

書き出した手順を、「AIに任せる作業」と「人が判断する作業」に分けます。マネーフォワードの記事では、データの抽出や定型作業はAIに向き、契約の判断や相手の気持ちへの配慮が要る交渉は人が担うべきとしています。[出典:株式会社マネーフォワード「AIエージェントの作り方を初心者向けに解説!無料で試す方法や活用方法」(2026)]

ポイント

AIの結果が外に出る前に、人が確認する場所を必ず1つ残します。メールの送信や、お金に関わる処理の前が目安です。

少ない件数で小さく試す

まず、少ない件数で試します。マネーフォワードは、最初から完璧を目指さず、約60点の出来で運用を始めて改善する進め方を勧めています。[出典:株式会社マネーフォワード「AIエージェントの作り方を初心者向けに解説!無料で試す方法や活用方法」(2026)]

試すときは、10件程度の代表例を用意します。一創は、10件程度のテストケースで、正答率と失敗の型を記録する進め方を目安にしています。[出典:株式会社一創「AIエージェントの作り方とは?ノーコード・開発・外注の3ルートと設計手順」(2026)]

よくあるつまずきは、記録を取らずに「なんとなく良さそう」で終わることです。記録があれば、次に何を直すかが分かります。

続ける・直す・やめるを決める

試した結果をもとに、「続ける」「直す」「やめる」を決めます。大切なのは、だれが、どの基準で決めるかを先に決めておくことです。

基準は、ステップ1の1行と、ステップ4の記録です。1行で決めた目標に届いたか、間違いの種類は許せる範囲かを見ます。決める人は、社長か現場の責任者がよいでしょう。

迷ったときの答えはよくある質問にもまとめています。

AI導入で社長が最初に決めることは、AI導入で社長が最初に決める3つと5ステップも参考になります。

自社で作る範囲と外部と進める範囲は?

結論は、業務の中身を決めて確認する役を自社に置けば、IT担当がいなくても進められることです。つなぎ込みや作り込みは、外部と進めるのが無理のない分け方です。

DXにまだ取り組んでいない会社の様子を見てみましょう。IPA(情報処理推進機構)の調査では、従業員100人以下でDXに取り組んでいない企業の54.0%が、取り組まない理由に「自社がDXに取組むメリットがわからない」を挙げました。これは最も高い割合です。調査期間は2026年4月17日から6月12日です。[出典:情報処理推進機構(2026)]

メリットが分からないままでは、始めにくいものです。だからこそ、任せる1業務を決めて小さく試し、目で見て確かめる進め方が合います。

作り方には、大きく3つあります。比べる観点は、下の表のとおりです。

作り方作る人確認役得意な作業つなぎ込み機密情報の扱い
ノーコード(画面の操作で組む)社内の担当者自社(社長か責任者)文書を読んで整理する単一の業務少なめ入れる情報を自社で決める
プログラミング技術に詳しい人自社(社長か責任者)細かな制御や、独自のつなぎ込み多い設計の段階で取り決める
外注開発会社自社(社長か責任者)複数のシステムをつなぐ業務多い契約で取り決める

どの作り方でも、確認役は自社です。使い始めの道具は、製品名で選ばず、「どんな種類か」で選びます。チャットで指示して作る種類、業務の流れを部品でつなぐ種類、今使っているオフィスの道具に付いている種類などです。比べる点は、作る人、確認の入れやすさ、つなぎ込みの有無、情報の扱いです。

内製か外注かの線引きは、一創の考え方が参考になります。単一業務で、文書中心で、社内システムへの書き込みがなければ、内製で進めてよいとしています。書き込みや送信を伴う構成になったら、外注を検討するとしています。[出典:株式会社一創「AIエージェントの作り方とは?ノーコード・開発・外注の3ルートと設計手順」(2026)]

注意

顧客の名前や住所などの個人情報、社外に出せない機密情報は、そのままAIに渡さないでください。入れてよい情報と入れてはいけない情報を、使い始める前に社内で決めます。

自社で何を決め、どこから外部に頼むかを一緒に整理したい方へ。カクヤクAIXでは、伴走しながら1業務から形にする進め方をご紹介しています。

外部の支援を選ぶときの見方は、AIコンサルと伴走支援の違いで説明しています。

費用はどのくらいから?使える公的支援は?

結論は、費用は作り方で大きく変わるということです。下の金額は発行者ごとの目安で、公的支援は要件を満たせば受給できる可能性がある、という位置づけです。

発行者目安条件
株式会社一創(2026年7月公開、9月更新)ノーコードは月数万円程度からツール利用料とAPI従量課金の合計。同社の目安
株式会社一創(同上)外注の検証段階は数十万円規模同社の目安
株式会社一創(同上)業務システム連携を含む本格開発は数百万円規模同社の目安
テックキャンプ(2026年2月)API費用は小規模な社内利用で月数千円程度GPT-4系モデルの場合。利用規模で変わる
テックキャンプ(同上)利用が多いと月数十万円以上になることもある同上
株式会社WEEL(2026年6月公開、9月更新)受託開発のPoC(小さな試作)は約250万円から運用コストや従量課金は別途

一創の記事では、金額を左右するのは、つなぐシステムの数と、権限設計や運用の見守りの要件とされています。[出典:株式会社一創「AIエージェントの作り方とは?ノーコード・開発・外注の3ルートと設計手順」(2026)]

WEELの自社プランの見積もり相場は、期間4ヶ月から、1,320万円からです。これは上のPoCの目安とは別の、同社のプランの例です。[出典:株式会社WEEL「AIエージェントの作り方!開発手順・おすすめツールを解説」(2026)]

テックキャンプの目安は、AIの利用料にあたるAPI費用です。[出典:AI活用ナビ by テックキャンプ「AIエージェントの作り方!初心者でも簡単に構築できる方法を徹底解説」(2026)]

社員が作り方を学ぶ研修には、公的な助成金が使える可能性があります。厚生労働省の人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)です。令和8年度版(令和8年8月3日版)の案内にもとづき、条件を整理します。

助成金の条件

  • 対象:雇用保険被保険者への研修(OFF-JT。事業展開、DX・GX化など)
  • 計画届:令和8年8月3日以降に提出された計画届が対象。経過措置あり
  • 中小企業:経費助成率75%、賃金助成は1人1時間あたり1,000円、設備投資加算は導入費用の50%
  • 大企業:経費助成率60%、賃金助成は1人1時間あたり500円、設備投資加算なし
  • 受講者1人あたりの上限額などの細かな条件は、最新の案内(詳細版)で確認する

注意

この制度は、2027年3月31日に終了予定です。使いたい場合は、最新の案内を確認してください。研修が対象になるかは、管轄の窓口に確かめます。この記事では、対象になるか、受給できるかは判断しません。[出典:厚生労働省(2026)]

助成金と補助金の違いは、助成金と補助金の違い|AI導入で最初に調べる制度で整理しています。

よくある質問

Q1.詳しい社員がいなくても、自社で作れますか?

答え:業務の中身を決めて確認する人がいれば、進められます。社長か現場の責任者で足ります。つなぎ込みが多い場合は外部と進めます。詳しくは自社で作る範囲と外部と進める範囲は?で説明しています。

Q2.何の仕事から任せればよいですか?

答え:毎回ほぼ同じ手順で、失敗しても取り返せる仕事です。まず「だれの、どの業務を、どれだけ楽にするか」を1行にします。詳しくはステップ1:任せる1業務を1行で決めるで説明しています。

Q3.AIが間違ったことをしないか、人はどこで確認すればよいですか?

答え:AIの結果が外に出る前と、お金に関わる処理の前です。契約の判断や、気持ちへの配慮が要る交渉は、人が担います。詳しくはステップ3:人が確認する場所を決めるで説明しています。

Q4.費用はどのくらいから試せますか?

答え:作り方で大きく変わります。ノーコードは、一創の目安で月数万円程度からです。ほかの目安は、発行者ごとに費用はどのくらいから?使える公的支援は?の表にまとめました。

Q5.助成金は使えますか?

答え:要件を満たせば受給できる可能性があります。対象は雇用保険被保険者への研修(OFF-JT。事業展開、DX・GX化など)で、令和8年8月3日以降に提出された計画届が対象です(経過措置あり)。制度は2027年3月31日に終了予定なので、最新の案内と窓口で確認してください。[出典:厚生労働省(2026)]

任せる1業務を決めるところから、一緒に考えたい方は、カクヤクAIXにご相談ください。

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