この記事でわかること
- DXの進め方は「目的を一文で決める→1業務を選ぶ→小さく試す→結果で判断→広げる」の順番です
- 専任者がいなくても、社長が決めることは「目的」「最初の1業務」「続けるかの判断」の3つに絞れます
- 試す前の状態を記録しておけば、うまくいったかどうかを前後の比較で判断できます
DXの進め方は、目的を一文で決め、1業務を選び、試す前を記録して小さく試す順です。専任者がいなくても、社長が決める3つと7ステップを解説します。

この記事でわかること
結論
DXは、目的を一文で決め、1業務だけ選び、試す前の状態を記録してから、期間を区切って小さく試す順で進めます。止まる原因の多くは、何の得があるのか分からないまま始めようとすることです。
DX(デジタル技術で仕事のやり方を変えること)に、小さな会社はどこまで取り組んでいるのでしょうか。IPA(情報処理推進機構)の調査では、従業員100人以下の企業でDXに取り組む割合は41.6%でした。調査の対象は、国内企業の経営層や情報システム部門などで、期間は2026年4月17日〜6月12日です。[出典:独立行政法人情報処理推進機構「DX動向2026 広がるAI導入、DXは変われるか」(2026)]
同じ調査で、DXに取り組んでいない企業のうち、従業員100人以下の企業が挙げた理由があります。最も高かったのは「自社がDXに取組むメリットがわからない」で、54.0%でした。[出典:独立行政法人情報処理推進機構「DX動向2026 広がるAI導入、DXは変われるか」(2026)]
中小機構(中小企業基盤整備機構)の調査も見ます。対象は全国の中小企業の経営者・経営幹部1,000社で、2025年12月5日〜18日に行われました。DXに取り組んでいる(「既に取組んでいる」「取組みを検討している」の合計)企業は39.1%で、前回調査の42.0%とほぼ横ばいです。[出典:独立行政法人中小企業基盤整備機構「中小企業のDX推進に関する調査(2025年)アンケート調査報告書」(2026)]
結論
DXの進め方は7つのステップです。段階の数は記事ごとに違いますが、大事なのは数ではなく順番です。
上位の解説記事を見ると、段階の数はまちまちです。ビジネスコンシェルジュ(GMOインターネット運営)とAI経営総合研究所(SHIFT AI)は、6ステップで説明しています。[出典:ビジネスコンシェルジュ(GMOインターネット運営)「DXのステップとは?3段階・4段階の違いと進め方、役割分担を解説」(2026)][出典:AI経営総合研究所(SHIFT AI)「DXの進め方とは?6ステップで成功させるポイントと失敗しない方法を解説」(2025)]
キヤノンマーケティングジャパンとクリスタルメソッドは、4ステップで説明しています。[出典:キヤノンマーケティングジャパン「ポイントは【4つのステップ】:DXの始め方」(2024)][出典:クリスタルメソッド「DXの進め方を4ステップで解説|導入手順と成功のポイント」(2024)]
数が違っても、目的を決めてから試し、結果を見て広げる順は共通しています。この記事では、中小企業の社長が動きやすいように7つに分けました。社長が自分で決めるステップに印を付けています。
赤い印のステップ1・3・6は社長が決め、残りは現場と一緒に進めます。
メモ
DXとIT化は別の話です。ツールを入れること自体が目的ではありません。AI経営総合研究所(SHIFT AI)も、この2つを区別しています。
会社全体でAI活用を何から始めるかは、中小企業のAI活用は20.4%、社長一人から始める4ステップで整理しています。
結論
社長が自分で決めることは、ステップ1・3・6の3つだけです。残りは現場と一緒に進めます。
DXそのものは、目的にしません。自社の困りごとから、一文にします。
この一文は、社長が決めます。ビジネスコンシェルジュ(GMOインターネット運営)は、経営層が目的を示し、最終判断を担うとしています。AI経営総合研究所(SHIFT AI)も、経営層の関わりが足りないことを失敗の例に挙げています。
専任者がいなくても、社長は紙1枚で書き出せます。次の3つに分けて並べてください。
きれいにまとめる必要はありません。社員への聞き取りは、書き出したあとに足します。非効率な仕事や属人的な作業から洗い出すことは、iTSCOM for Businessの記事も勧めています。
書き出した仕事から、最初の1業務を選びます。比べる観点は、次の表のとおりです。製品名は並べません。
| 観点 | 見るところ | 考え方の出典 |
|---|---|---|
| 困りごとの大きさ | 重要か、急ぐか | キヤノンマーケティングジャパン、AI経営総合研究所(SHIFT AI) |
| 始めやすさ | 難しさが低いか。成功を実感しやすいか | StartLink、キヤノンマーケティングジャパン |
| お金のかかり方 | 費用と、得られる効果の釣り合い | キヤノンマーケティングジャパン、AI経営総合研究所(SHIFT AI) |
| 受け取る側の負担 | 作業する人が楽になっても、確認する側の手間が増えないか | StartLink |
StartLinkは、作業者の負担が減っても、受け取る側の確認が増えるなら優先しないとしています。[出典:株式会社StartLink「業務改善を小さく始める中小企業へ|優先順位の決め方と現場で進める手順」(2026)]
あわせて、「変えない範囲」も書いておきます。たとえば「最終の確認は今までどおり人がする」のような決めごとです。ツール選びは、1業務が決まったあとにします。
うまくいったかを前後で比べるには、試す前の記録が要ります。StartLinkも、作業前の状態を記録することを勧めています。
次のチェックリストで、記録する項目を確かめてください。同じ書き方で、試す前と試したあとの両方に残します。
試す対象の業務、人、期間を区切ります。期間の長さは、その業務の1サイクルが一回りする長さにします。月に1回の業務なら、少なくとも1回分が回る期間をとります。
生成AIを使うなら、ステップ3で選んだ1業務の一部に当てます。文章の下書きや要約などです。ツールを増やすことが目的ではありません。
IPAの調査では、生成AIを「導入している」企業は、2025年度に44.0%でした。2024年度は22.6%でした。これは全規模の企業の数字で、中小企業に限りません。[出典:独立行政法人情報処理推進機構「DX動向2026 広がるAI導入、DXは変われるか」(2026)]
中小機構の調査では、DXの取組み内容に「AIの活用」を挙げた中小企業は28.4%でした。前回調査の14.3%から、14.1ポイント増えています。[出典:独立行政法人中小企業基盤整備機構「中小企業のDX推進に関する調査(2025年)アンケート調査報告書」(2026)]
ステップ4の記録と見比べて、社長が決めます。選ぶのは「続ける」「直す」「やめる」の3つです。StartLinkも、結果に応じて続ける・修正する・戻すを判断するとしています。
決める日は、試す前に決めておきます。日にちが決まっていれば、判断が先延ばしになりません。やめる判断も、小さく試したからできる判断です。
社長は前の記録と見比べて3つから選び、「続ける」を選んだときだけ広げる段階に進みます。
広げる前に、ほかの業務にも同じ原因の困りごとがあるかを確かめます。StartLinkは、同じ課題があると確かめてから他部門へ広げるとしています。
広げるときは、新しいやり方の手順書を作ります。そして、古いやり方をやめる日を決めます。ビジネスコンシェルジュ(GMOインターネット運営)は、旧手順の廃止日を決めることを挙げています。
見直しの目安にも触れておきます。AI経営総合研究所(SHIFT AI)のFAQでは、業務棚卸しの見直しは半年に一度、最低でも年に一度とされています。[出典:AI経営総合研究所(SHIFT AI)「業務棚卸しの優先順位を決めるポイント!ROI・リスク・DX時代の実践法を紹介」(2025)]
結論
社長が持つのは、目的、最初の1業務、続けるかの判断の3つです。書き出しの補足、試す作業、記録は、現場に任せられます。
ポイント
外部の力を借りても、丸投げにはしません。目的と判断は、社長が持ち続けてください。
キヤノンマーケティングジャパンの記事は、人材やノウハウが足りない中小企業は、外部のリソースの活用を検討するとしています。外部に頼むのは、棚卸しの手伝いや、試し方の相談などです。
社員向けの研修が必要になったときは、助成金が使える場合があります。要件を満たせば、受給できる可能性があります。
制度の条件
[出典:厚生労働省「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)のご案内(詳細版)令和8年度版」(2026)]
計画届の提出時期などの条件があります。詳しくは、厚生労働省や労働局の最新の案内で確認してください。
1業務を選んで試すところを、一緒に整理したい社長はいませんか。そのときは、カクヤクAIXにご相談ください。
DXで最初に決める3つは、DX推進とは?中小企業の社長が最初に決める3つで説明しています。
結論
つまずきは、目的があいまい、社長が任せきり、現場が使わない、ツールが先、広げすぎの5つです。どれも、今日できる対策があります。
AI経営総合研究所(SHIFT AI)は、目的の曖昧化、経営層のコミット不足、現場の抵抗、短期成果の求めすぎを失敗パターンに挙げています。AI新聞(エクサウィザーズ)は、目的やビジョンが不明確なことや、経営層がコミットできていないことを要因に挙げています。ITmedia(EY寄稿)は、目指す姿の定義ができていないことを、進まない理由の一つにしています。
| 失敗 | 起きること | 対策 |
|---|---|---|
| 目的があいまい | 何をもって成功か分からず、途中で止まる | ステップ1:目指す姿を一文で決めるで、困りごとから一文にする |
| 社長が任せきりにする | 判断する人がいなくなる | 続ける・直す・やめるの判断は、社長が日にちを決めてする |
| 現場が使わない | 新しいやり方が定着しない | 小さく試し、現場の声も記録する |
| ツールを先に決める | 仕事に合わないものを選ぶ | 仕事の進め方を見直してから、ツールを選ぶ |
| 一度に広げすぎる | 原因が分からず、全部が混乱する | 同じ原因の業務にだけ、順に広げる |
「ツールを先に決める」ことについて、StartLinkは、ツールを増やす前に仕事の進め方を見直すとしています。クリスタルメソッドは、現場導入の難所は製品選びより、業務フローのどこをAIに置き換えるかの見極めだとしています。[出典:クリスタルメソッド「DXの進め方を4ステップで解説|導入手順と成功のポイント」(2024)]
AI導入の最初の決めごとは、AI導入で社長が最初に決める3つと5ステップもご覧ください。
意味はあります。IPAの調査では、DXに取り組んでいない従業員100人以下の企業で、最も多い理由が「メリットがわからない」でした。数字はDXを進めたいのに、なぜ最初の一歩で止まるのかにまとめました。まずはステップ3:最初の1業務を選ぶで、1つだけ選んでください。
進められます。社長が決めるのは3つに絞れ、足りない所は外部の力も借りられます。分け方は専任者がいない会社は、誰に何を任せるかで説明しています。
困りごとの大きさ、始めやすさ、お金のかかり方、受け取る側の負担の4つを見ます。表はステップ3:最初の1業務を選ぶにあります。
試す前の記録と、試したあとの結果を比べて、社長が判断します。記録の項目はステップ4:試す前の状態を記録する、判断はステップ6:結果を見て、続ける・直す・やめるを決めるです。生成AIは、選んだ1業務の一部に当てます。使い方はステップ5:期間を決めて小さく試すで説明しています。
まとめ
DXの進め方や、最初の1業務の選び方に迷うときは、カクヤクAIXにご相談ください。